ホルミシス効果とは
はじめに
つい先日、お世話になっている整体師の先生に、『あなたの説明はプロ同士の会話ヨ!』『素人にもわかるように説明してもらえない?』とご指摘いただきました。
昨今、弊社ホルミックの資材販売を通して、私の会話は「ホルミシス効果を商売上だいたい知っている人」向けのトークになっていたのです。反省です。
そこで、当ホームページの記載についても、もう少しわかり易くするよう修正をしてみました。昔、私が「ホルミシス効果をぜんぜん知らない方」向けにご説明していた内容です。
1.秋田県 玉川温泉
ここ数年、テレビやマスコミ等で取り上げられた、秋田県の玉川温泉。この温泉の湯治には定評があります。その効果は口コミで広がり、多くの患者さんたちが湯治に訪れます。一年に一回、約2週間程度滞在しての湯治により、奇跡としか言いようの無い結果が続出しているそうです。それをテレビ、マスコミが取り上げることで人気はさらに高まりました。
また、岩盤浴のブームも手伝って、玉川温泉の宿泊者は年々増加しているといいます。
2.盗掘騒ぎ!!
盗掘騒ぎ! 新聞にも掲載されましたが、秋田県の玉川温泉で『盗掘騒ぎ!』がおきました。
犯人の狙いは?・・・
見た目、なんら変哲のない石ころなのです。
これは『北投石』と呼ばれていて、日本国内屈指のラジウム鉱石として有名な石なのです。
国定公園として指定された八幡平地区に含まれる温泉地での盗掘でしたので、新聞にも掲載されたというワケですね。
3.ラジウム鉱石?
国内屈指のラジウム鉱石で盗掘騒ぎが起きるとは? いったいどういうことなのでしょう? 玉川温泉の湯治効果に人気があるというお話は、さきほどいたしましたが、この湯治効果の根源にあるのがこの北投石であるといわれているのです。
4.えッ? ラジウムって放射性物質じゃないの?
不思議に思われる方もいらっしゃいますよね。世界唯一の被爆国である、わが国日本では、放射線=原爆=悪という図式で教育を受けていますから、仕方がありませんよね。 こんなことを書いてる私も最初は『えっ!放射線? 恐いなぁ〜』って思っていましたから。
ラジウムって放射生物質なんです。ですので、放射線を放出しているのです。
これは紛れも無い事実。
そして体に有益に作用するのも事実・・・だったのです。
今から約6年前、この仕事に着手したころは、今よりも放射線ホルミシスに関する資料が少なく、勉強するのも一苦労でした。
5.危険な放射線と安全な放射線
放射線って、太陽からも地面からも野菜からも海藻からも・・・出てるんですよ。ご存知でした?
世界平均で2.4mSv/yになります。
世界平均というのは、世界中では日本と比較して10倍以上の自然放射線量の地域があります。
(下図をご参照下さい)
自然放射線とは、前述の通り太陽・地面・野菜等々からも出ているとお話しましたが、地球創生以来46億年間ものあいだ、地球上の生き物の生命維持活動を支えてきたたいへん重要な自然の恵みなのです。
インターネットで検索していただけると思いますが、下図の高自然放射線地域では、玉川温泉はオーストリアのハイルシュトレンなどと同じように湯治が行われていることがご確認いただけると思います。
6.定説を覆す「ホルミシス」の登場
かつて、「放射線は例え微量でも体に害を及ぼす」と広く考えられてきました。しかし、この定説を覆す動きとして、「ホルミシス」という言葉が聞かれるようになったのです。
そもそもホルミシスという言葉が注目されるようになったのは、1980年代。低線量放射線に関する従来の常識を覆す研究成果が、米国のトーマス・ラッキー博士の著書に掲載されたことが始まりといわれています。
7.それを受けて始まった国内での基礎研究
前述のトーマス・D・ラッキー教授の論文を受けて、国内の学者の方々が立ち上がりました。低線量放射線が体に及ぼす効果についての基礎研究が始まりました。
数々の研究の成果から、世間一般で言われる「放射線はたとえ微量でも体に害を及ぼす」という考えが崩れていきます。
トーマス・D・ラッキー教授の言うように、微量の放射線は、体に有益であることが認められたのです。
8.あくまでも基礎研究
これらの有益な作用は、あくまでも基礎研究での成果であり、試験対象は『試験用のねずみ』がほとんどです。
9.低線量放射線のホルミシス効果って?
世間一般に知られる「低線量放射線のホルミス効果」の特徴って言うのは、この基礎研究の成果として発表された項目程度なのです。
実際に項目を並べてみると、とても体に良い印象を受けますが、そのロジックはご存知の方が少ないのも事実です。ナニがいったいどういうように、どう作用しているのか?
ご存知ですか?
10.ホルミシス効果・・・簡単に説明します。
ここまで、低線量の放射線が地球創生以来生命維持活動を支えてきたこと、そして低線量の放射線が、体に有益であることとその仮説を受けて進んだ基礎研究のお話をしました。 では、何故、低線量の放射線は体に有益であったり、玉川温泉のように話題になるのでしょうか?
まず、細胞の話
細胞は、およそ8年の周期で生まれ変わるといいます。例えば今現在のあなたは、8年前のあなたとは細胞レベルでは別人といえるのです。
このサイクルの中で、『細胞の消滅』する行程があります。
細胞には自分で自分を消滅させる機能が備わっています。いわゆる『自爆』ということですが、この機能を専門用語で、『アポトーシス』と呼んでいます。
健康な体は、このアポトーシスが正常に働くことで、不良細胞は自分で自爆→再生という動作を実施します。自爆したらどうなる?
自爆してなくなると、その周りにある細胞が、そこにいた細胞の情報を出し合って、再生していくといいます。
人間の寿命125歳説
この細胞の働きがウマく行くこと、適切な治療と予防を行うこと、健全な生活をすること。これらが出来ると、細胞学上の計算値では、人間の寿命は125歳だと言えるそうです。
すっごい理想的な話ですが...。
でも、世界中を見るとそれくらいのお歳まで生きられた方は結構いらっしゃるんですよね。
では? 放射線の働きって?
我々の体は、少しくらいの放射線にはビクともしないそうです。たとえ、放射線により、細胞に傷がつけられたとしても人間の体の機能として備わる『神の手』というものがあるそうです。
『神の手』?
人間の健康な体は、持って生まれた一つの機能として、傷ついた細胞を自爆させると言います。
自爆させたあと、そこにあるべき細胞を自動的に再生してくれるそうです。
これは、まさに、『神の手』としか言いようの無い技だと言われています。
その名は「 p53 」
この神の手と呼ぶにふさわしいタンパクは「p53」と呼ばれています。そして、この「p53」にはある別名がつけられているのです。
別名 : 「がん抑制遺伝子」
12.放射線ホルミシスとは
乱暴な言い方ですが、放射線は、細胞を傷つけることで、p53の生成を誘発します。そして、このp53が体内の自爆できなかった不良細胞の再生を促すためのスイッチを押してくれるのです。
非常に簡単でしたがお分かりいただけましたでしょうか?